【スポクラコラム#7】既存のスタジアムでもぎりぎりまでどうビジネスをするか?

沖縄県内はキャンプシーズン真っ盛りになりました。
すでにサッカーはキャンプが始まっていますね!
野球はいよいよ明日からキャンプインです。
スポーツ関係者とお話してると 「サッカー専用のスタジアムが欲しい」 「プロバスケの公式戦に向いたアリーナが欲しい」 っというお声をいただきます。
沖縄でも
沖縄市で1万人収容の「沖縄市多目的アリーナ施設(仮)」の工事が着々と進んでいます。
那覇市では、Jリーグ企画のサッカー専用スタジアムの計画があります。
プロスポーツにおいて、これらは悲願であり、ビジネスを発展させるには不可欠なイシューです。 もう一方で、「そう簡単ではない」というのも事実。 となると、 「既存の公営のスタジアムやアリーナで、当面どこまで頑張れるか?」 「公営のスタジアムやアリーナを満杯にし、ビジネス的に次の展開ができるように黒字にしていくか」 というノウハウも、もう一方で「現実的に日々大事なテーマ」になってきます。

この5年ぐらい、他のクラブを調査したり、自分でもプロスポーツの運営をやりながら、だいぶ知見が溜まってきました。 細かいところは語りつくせないのですが、一言でいうと、 「デメリットを逆手にとって活かすしかない」 ということです。 公営スタジアムでも集客に成功しているところは、そういう細かい工夫が満載で、本当に見ていてすごいなぁと尊敬します。 実際、ファンからするとちょっとしたことでも、事前の準備が、本当に大変なので・・・ 最近お邪魔させていただいた栃木ブレックスさん、V・ファーレン長崎さんは、本当にそういう運営をされていました。

栃木ブレックスさんは、惜しまず準備し、公営の体育館を「非日常の空間」に仕立て上げ、音楽や運営、流れを工夫することで、「プロスポーツの場」を作り上げています。 特に「真っ暗にし、音楽と照明で盛り上げる」こと、意外と簡単なようでいて、公営の体育館では難しいことだったりします。
V・ファーレン長崎さんは、中心地から少し離れた長崎県立総合運動公園で公式戦を開催しています。 「離れている」ことを逆手に、
■駐車場が多く、車で行きやすい →さらにakippaというネット駐車場予約サービスで利便性を高めています https://www.akippa.com/v-varen/ ■歩いて20分以上かかる道で、様々なおもてなしを住民が実施、歩くことを楽しく盛り上げている https://web.gekisaka.jp/news/detail/?238768-238768-f (空港や電車もデコレーションされていて、移動が楽しくなるような工夫がたくさんありました。また高校生ボランティアが道を親切に教えてくれました)


公営の運動公園であることを逆手に、 ■広い敷地に、多数のスタジアムグルメを準備

■陸上ピッチを活かして、試合前から多様なイベントを実施

■試合後は隣の芝生公園で、すぐにサッカーをやりたくなった子どもたちが早速サッカーができる。 サッカーに興味がない子どもたちも公園で遊べる


2チームとも、かなり細かい努力や工夫がされていて、「専用の箱を持てなくても、ここまでできるんだ」というナレッジが豊富な事例でした。 専用スタジアムや本格アリーナという最高の舞台を得るためにも、まずは既存の箱でギリギリまで最高のサービスを提供し、収益力を高める。 そこまでして力をつけたプロクラブ、プロチームだからこそ、ハコを得た時に一気にビジネスとして成長させられるのではないのかな、と思った次第です。 今回のようなところで得られた様々な工夫や知見は、プロチームに様々な形で還元させていこうと思っています。
そのことで、プロスポーツの発展に少しでも寄与できるように、今後も努力していきたいと思います。